「症状固定」とは、事故によるケガが長期的なリハビリを続けても、それ以上の回復が望めない状態を指します。症状固定はリハビリの終了を意味するものではなく、「これ以上リハビリを続けても効果が見込めない」と医師が判断した時点のことです。症状固定の判断が下されると、完全には治っていなくても一定以上の回復が難しいとされ、保険会社からリハビリの終了を求められることもあります。

症状固定の具体例

・交通事故後むち打ちの痛みが残り、リハビリを続けても首や腰の痛みが消えない場合

・骨折が治っても関節の可動域が完全には回復しない場合

・神経損傷により、手足のしびれが慢性化して回復が難しい場合

症状固定とは医学的な判断に基づくものであり、完治の証明ではなく回復の限界と判断した状態です。従って、痛みが残っていても、患者は通常の日常生活に復帰するための適切な対応をとる必要があります。

事故後の治療費は通常、自賠責保険や任意保険により補償されます。しかし、保険会社から治療費の打ち切り通知が来る場合、「症状固定」が一つの判断基準となります。症状固定とみなされた時点でこれ以上の治療効果が見込めないと判断されると、保険会社が治療費の支払いを終了することが一般的です。

なぜ保険会社は治療費の支払いを打ち切るのか？

保険会社が治療費の打ち切りを行う背景には、事故後の長期リハビリに対する費用負担を抑える意図があります。医師の「症状固定」の診断に基づき、保険会社は被保険者と会社双方の負担を一定の範囲に収めるため、支払いを終了する措置をとります。

打ち切りまでの流れは以下の通りです

経過確認：保険会社は定期的にリハビリの進行状況を確認し、回復効果があるかを見極めます。効果が見られない場合は打ち切りが検討されます。

医師の「症状固定」診断：医師が「これ以上の回復が見込めない」と判断すると、症状固定と診断されます。

保険会社からの打ち切り通知：医師が症状固定を診断すると、保険会社から治療費打ち切りの連絡が届く流れとなります。

症状固定後の手続きについて（後遺障害等級の申請）

症状固定後も、むち打ちなどの痛みが残る場合は後遺障害等級の申請が可能です。症状固定と診断されても、日常生活や仕事に支障があると判断されれば、後遺障害等級の認定を受けることで、等級に応じた慰謝料が支払われることがあります。

後遺障害等級の申請方法

症状固定後の痛みやしびれがどの程度続いているかを確認し、医師が記載する「後遺障害診断書」に基づいて等級が決定されます。この診断書をもとに保険会社が認定すると、等級に応じた補償が受けられます。

・むち打ち症などの神経系の後遺症では、症状の程度に応じた等級がありそれぞれに見合った補償が支払われます。

・認定された等級が高いほど受けられる補償額も大きくなります。認定基準は、日常生活への支障の程度や残存する症状の影響などが考慮されます。

・症状固定後も痛みやしびれが残る場合は、弁護士などの専門家に相談し後遺障害等級認定を受けることで、適切な補償を確保できます。

当接骨院では、症状固定後も痛みに対してのリハビリやメンテナンスを行なっています。症状固定が認められても、日常生活の質を保つためにはケアが必須になります。

1. リハビリの継続

症状固定後は、リハビリに必要な費用は自己負担になりますが、体のケアは日常生活の回復のために重要です。当接骨院では根本的な回復を目的としたリハビリを継続して行い、体の可動域を向上したり、慢性的な痛みを和らげるための本格的なケアが受けられます。

2. 姿勢や生活習慣の指導

痛みや違和感が残っていても、日常生活を快適に過ごすためには姿勢や適度な運動など、生活習慣のアドバイスを行います。姿勢や体の歪みを見直すことで痛みの軽減につながります。

3. セルフケア指導

症状固定後はご自身でセルフケアを行うことで日常生活動作を高めることが期待できます。当接骨院では、自宅で行える簡単なストレッチや筋力トレーニングなど、セルフケアの指導をいたします。セルフケアを習慣化し体のコンディションを整え、後遺障害により痛みの負担を減らすことができます。

Q.症状固定後もリハビリテーションを受けられますか？

A.はい、受けられます。

ただし、リハビリテーションの費用はケースによって異なるため、保険会社に打ち切られた場合はご相談ください。

Q.保険会社に打ち切りを通知されましたが、しょうがないのでしょうか？

A.保険会社はサービスとして一括対応を行っているため、いつでも打ち切ることができます。しかし、不当な打ち切りに遭った場合は被害者請求などの対応策があります。

当院では、専門的な知識を持った的確なアドバイスをご提供しますので、お気軽にご相談ください。